2023/11/29 15:32
「地域のうまい!」を伝える、繋げるファームデジです。
今回は、猪肉や鹿肉のミンチなど、ジビエ商品の販売元である「古民家 やまから」様にお伺いさせていただきました!

普段はご予約のお客様のみにおまかせコースを提供しておられる「やまから」様の店舗に、取材の許可をいただきお邪魔しております。

庭の向こうからニワトリがお出迎え。
可愛いですね~。
数羽飼育しておられるようで、合計で1日5個くらい卵を産むそうですよ。
さて、せっかくの機会ということで、ファームデジでも人気商品のひとつ「やさしい 猪肉ソーセージ」の製造工程を一部だけ拝見させていただくことに。

狩猟した猪の肉はいったん専用の処理場で各部位に分けられるですが、食べられる箇所であるにも関わらずどうしても半端な部分というものが発生してしまいます。
これをミンチ肉にして有効活用しておられるのが、やまから様で販売しているミンチやソーセージなどの商品というわけです。
肉・塩・醤油・砂糖・パセリ・油などをミンチに混ぜ込み、味付けをしてから機械にセッティング。
ソーセージを作る機械を見るのも初めてなら、腸詰めの瞬間を見るのも初めて。
ましてや珍しい猪肉…。一日で色んな初体験ができて感動しきりです。

真っ直ぐ伸ばしたら大縄跳びくらいあるのでは?というくらい長~いソーセージが完成。
これを結んで切っていくわけですね。

やまから様によると、だいたい1.6kgの猪肉ミンチから100本ほどのソーセージが作れるとのことです!
今回は時間の都合上、ソーセージの形にするところまでとなりましたが、ちなみにこの後は茹でてから冷凍する工程に移ります。
温度は75度で30分。このあたりは厳密にマニュアル化されており、ワイルドなイメージのジビエ肉を繊細な技術によって加工するというメリハリを感じました。

こちらは猪の枝肉(骨がついた状態の肉)をさばいていく様子。少しでも無駄なく、食べられる部分を切り分けていく大切な作業です。
逆さに吊るす理由は、まな板の上でさばくと菌が付着してしまうからという衛生上の理由もあるそうですよ。
全てが理にかなっているわけですね。

見学も一段落つき、お昼ご飯は特別に「猪肉焼そば」を提供していただきました!
噛み応えがあってジューシーな旨味が広がり、なおかつ癖のない味わいの猪肉に、もちもちの太麺が見事に相性バッチリ。
身近な料理にジビエという要素がプラスされることにより、まるで違った印象に…!
食材としてのジビエの奥深さを改めて感じました。

美味しいジビエを安定して皆さまにお届けするのは、決して簡単ではありません。
「やまから」様の店長に、ジビエ狩猟において大変なことなどを聞いてみました。

農業や漁業と同じく、狩猟の世界も後継者不足といわれています。
ただ、狩猟免許を取得している人そのものはむしろ増えているというデータもあります。
ジビエは狩猟の時期が11月中旬~2月中旬頃と定められているため、特定の時期しか収入が見込めません。
普段はサラリーマンをしながら、冬になったら土日だけ狩猟に出かける…というのもなかなかの苦労だと思います。
本職として一本でやっていくのはもちろん、副業としてもなかなかハードルの高い仕事であることには間違いないでしょう。

私たち食べる側が最も気になる、肉質のことについてもお話しいただきました。
ジビエの肉は人によって「固い」とか「独特の匂いがする」という印象を持つ人がいます。
やはりこれも、罠の種類や狩猟の方法、捕獲してから流通に乗るまでの時間や処理の仕方などによって肉質が変わってくるようです。
やまから様の店長は1日1回、仕掛けた罠を見回りに行き、成果を確認しているとのことです。
猪などが引っかかっていた場合、なるべく生体に苦しい思いをさせず、適切な手段で素早く処理し、新鮮な状態のジビエ肉を確保する必要があります。
狩猟する側の長年の経験と技術のおかげで、私たちが食べるジビエの美味しさが成り立っているのです。

帰り際、やまから様がお米を育てている田んぼがあるとのことで、車で案内していただきました!
都心部から離れているとはいえ、大阪府内ではかなり珍しい広大な面積の農地に稲が実っており、その一区画をやまから様が担当しています。

品種は「ヒノヒカリ」で、本格的な収穫は11月頃だそうですが、少しだけ刈り取るところを見学。
基本は農業機械を使用しますが、田んぼの端っこに関しては手刈りする必要があります。
「ヒノヒカリ」は大阪では有名な品種であり、この地域で苗を一括して仕入れているためコストも抑えられるとのこと。
今年に関しては、やまから様の田んぼからは約600kgのお米が収穫され、既に完売御礼だそうです。
大阪のお米が消費者の方々から高く評価されている証拠ですね!

やまから様の店長は非常に話題も豊富で接しやすく、ジビエに対して惜しみなく情熱を注いでおられる方という印象でした!
ファームデジでは今回のやまから様をはじめ、地域の「うまい!」を全国に伝えるために未来を見据えて奮闘している生産者様を紹介していきたいと思います。
また、今回から始まったこのブログでは、ファームデジの食材を使ったレシピや、ファームデジと連動して大阪の天王寺で運営しているカフェの最新情報なども伝えていく予定ですので、ぜひチェックしてください!